経営史特論

Business History

(Graduate Shcool)

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講義概要

 経営史の研究は,経済史や経営学に加えて,文化史,経済学,社会学や政治学など社会科学の諸分野との関係を通じて学際的に発展しながら,企業者活動ないし企業の経営活動の変化,そして社会や経済発展におけるそれら役割について様々な視点から展開されている。そこでは,経営者や企業の主体的側面をより重視しながら,近現代社会に影響を与えた経営事象,企業行動の生成プロセスやメカニズムの分析を通じて,経営的側面から,私たちのいる現代社会についてより深い理解を与えてくれる。さらに,当時の生産技術と経済的可能性によって設定された経営環境において,企業家,経営者あるいはミドルマネジャー等の人々が直面する挑戦と機会への個々人の反応や意思決定を考えながら,「経営とは何か?」,「企業とは何か?」,「ビジネスとは何か?」を考える基礎を提供している。最近では,経済のグローバル化やITなどの技術革新による経営環境の大きな変化を背景にして,大企業の変化やベンチャー企業の台頭と,その基盤にある制度との関係が大きなテーマの一つとして注目されている。

 本講義では,経営史研究の基本概念である「現代企業(modern business enterprise)」の形成,発展,変容について,国際比較の観点から理解していく。そして,なぜ現代企業が存在するのか,経営者による経営上の問題とその解決の過程でどのように形成・発展してきたのか,現在,それはどのような変容を遂げつつあるのか等を考えながら,現代企業の変化の方向と企業経営の今日的課題を考察していく。経営史特論Aでは,19世から現在に至るまでの現代企業の形成期・発展期を主な対象として,各国の現代企業制度の類似点や独自性を検討しながら,現代企業の経済性や社会的影響について議論していきたい。経営史特論Bでは,20世紀末から現在に至るまでの現代企業の変容期を主な対象として,今期は,新たな高成長企業として台頭したプラットフォーム企業について検討しながら,現代企業との類似点や相違点について議論していきたい。詳細はシラバス参照のこと。

〇左記テキストなどを用いて講義を行う。

参考書

安部悦生(2010)『経営史 第2版』日本経済新聞出版。

佐々木聡編(2022)『グラフィック 経営史』新世社。

鈴木良隆ほか(2004)『ビジネスの歴史』有斐閣

湯沢威ほか(2000)『エレメンタル 経営史』英創社。

米倉誠一郎(1999)『経営革命の構造』岩波書店。


ジェームズ・オルソンほか (2008)『アメリカ経済経営史事典』創風社。

経営史学会編(2004)『日本経営史の基礎知識有斐閣。

経営史学会編(2005)『外国経営史の基礎知識』有斐閣。

社会経済史学会編(2021)『社会経済史学辞典』丸善出版。

田中明彦・中西寛編(2010) 新・国際政治経済の基礎知識 新版』有斐閣。

チャンドラーモデルについての参考書和書

安部悦生(2019)『経営史学の方法:ポスト・チャンドラー・モデルを求めて』ミネルヴァ書房。

ルイス・ガランボス(1991)『アメリカ経営史学の新潮流:組織総合理論』‎同文舘出版。

橋本輝彦(2007)『チャンドラー経営史の軌跡:組織能力ベースの現代企業史』ミネルヴァ書房。

レズリーハンナ和田一夫(2001)『見えざる手の反逆:チャンドラー学派批判』有斐閣。