Personal Project

個人研究

現在の個人研究プロジェクト

「企業成長のモダン(現代)からネオ・モダン(新現代)への転換」という視点から、産業発展(特に第三次産業)と企業成長について日米企業を中心に研究しています。個人研究として、もともと現代企業の再検討のためアメリカ総合電機企業を対象にして研究していましたが、最近は米国メディア産業の形成から現在までの発展、スタートアップ企業とコングロマリット企業についての研究に取り組んでいます。また、共同研究を通じて、米国の電機産業企業、日本のコンテンツ産業企業についての研究を進めています。こうした研究とこれまでの研究成果を踏まえながら、経済・経営の歴史における「モダン」というコンセプトを改めて考えたりしています。

Current Personal Research Project

I am independently studying the changes of economic growth (esp. service sector) and corporate growth, focusing on the emergence of startups and conglomerate firms, the evolution of U.S. media industrial enterprises. With regard to collaborative projects, I also study the comparative history of electrical and electronics industries between the U.S., Germany, and Japan, as well as the development of Japanese content industries. These studies link to my primary research interest, "the transformation of modern business enterprises (toward neo-modern business?)," in order to explore the concept of business modernity within the histories of business and economy.  

ネオ・モダン的企業成長について(Regarding Neo-modern Corporate Growth)

"Modern Corporate Growth after the Modern Economic Growth: A Comparative Study of General Electric and Westinghouse Electric, 1946-2000." In Theory and Empirical Performance: Economic Paradigm and Performance in the Long Run (18th to 21st century), edited by Dominique Barjot, Harm G. Schroeter, and Kazuhiko Yago, 131-143. Paris, France: SPM Publishing, 2022.


[update history: May. 1, 2022]

上記論考での要点は、次のようになります。


※補足:チャンドラーの枠組みは、第二次世界大戦前までの考察を中心に組み立てられたものでありました。彼は、その考察を基盤にして、戦後の変化についても説明しようと試みたことが、その後の経営史領域における「ポスト・チャンドラー」論争のひとつの背景にあるかと考えています。もちろん、彼は、その後も実証研究を行い、自身の説明枠組みを拡張しますが、基礎となる企業成長の分析枠組みを維持し続けています。チャンドラー・モデルの変化については、拙稿「GEの企業改革の歴史的経験,1892-2019:ネオ・チャンドラー・モデルに向けて」において少し整理してみました。


なお、上記で説明した経営史のネオ・モダン論は、あくまで2社の事例分析からの試論的な考えです。決して経営史領域やそのほかの領域で「当たり前」として議論されているものではないので、その点ご承知おきください。

チャンドラー・モデルの変化について(Regarding a Change of Chandler's Framework)

 「GEの企業改革の歴史的経験,1892-2019:ネオ・チャンドラー・モデルに向けて」『経営論集』第67巻第4号、2020。download


[update history: Apr. 1, 2021]

上記論考での要点は、次のようになります。

※より詳しくは、沢山ある先行研究を参照


※なお、その組織能力は、(投資の仕方が異なったりして)各企業や産業に特有のものであり、習熟組織能力(learned organizational capabilities)と呼ぶ

※この統合学習基盤を構築した「中核企業」が、各国の特定産業における参入障壁、戦略の境界、成長の限界を規定するため、産業発展の方向を決定する。

※その源泉は、生産の「静態的な」規模と範囲の経済性だけでなく、知識の「動態的な」規模と範囲の経済性の有無。


この見方に近い視点(i.e.国際競争への着目)から考察した経営史の著作としては、 下記のようなものがある。

湯沢威他編(2009)『国際競争力の経営史』有斐閣。橘川武郎他編(2016)『グローバル経営史』名古屋大学出版会。


ただ、上記論考の整理は、完全ではないので、よりきちんと整理したものを書きたいと考えてます。あくまで参考で